川崎市中央卸売市場北部市場で11月9日、市主催の補助金に関する講演会が開かれた。さまざまな活用法を知ってもらい、積極的に申請してもらうことが狙い。市場内の企業らが、補助金を活用してICT化や効率化を進めている事例を伝えた。
講演会は「事例で学ぶアフターコロナの卸売市場 身近な場内事業者が語る、課題解決の第一歩」と題し、約30人が参加した。東京都中央卸売市場の経営相談員を務める中小企業診断士の高橋美紀さんが、経営活性化へのヒントを講演。周辺環境の現状を把握し課題を抽出、情報を集め対策を練ることが重要と説いた。
場内の鮮魚・青果・運送業者は、市が提供する独自の補助金活用例を発表。ICTを活用し、人材確保や生産性向上につながった成功例や進捗状況を伝えた。手書き伝票をIT化し、1人あたり月70時間削減できた例などに参加者は耳を傾けていた。
登壇者からは「補助金活用は書類作成が大変と着手に及び腰になりがちだが、手厚くサポートをしてくれるので活用した方が良い」などの話があり、高橋さんは「こうした事例を参考に市場全体で横展開を」と提案。一方、「値動きが激しく関係業者とも連携の必要があり、すべてをICT化するには1社では限界がある」「市場のIT環境を整えるには、改築が検討されているため時期尚早では」など課題も上がっていた。
市は年4回、同様の生産性向上・働き方改革セミナーを市内で開催しており、6月に創業支援の先進モデルの紹介、9月にICTの活用に向けたマッチング会を行った。4回目は年度内に予定されている。市場は小規模事業者が多いが支援事業の活用が少なく、いくつか事例が出てきたことから、身近な事業者に触発されることを狙い開催に至った。同セミナーの市場での開催は初めて。
市独自の補助
補助金をめぐっては、市は中小企業者等の生産性向上と働き方改革支援のため「生産性向上ICT活用支援」「先端設備等実践導入支援」「人材育成事業」「人材確保事業」-の4つの独自施策を展開。市産業振興財団に委託し、同財団内の生産性向上・働き方改革支援コーディネート事務局(【電話】044・548・4152)が申請事業者をフォローする。予算額は2400万円。
二次募集もあった昨年の活用事業者数は70件。今年は11月10日で予算額に達したが、担当者は「来年も同様に募集を予定している。専門家の無料派遣もしているので、活用して課題解決につなげてほしい」と呼びかけている。
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