聖マリアンナ医科大学病院(大坪毅人病院長)=菅生=はこのほど、胆道・膵臓病センター(小林慎二郎センター長=人物風土記で紹介=)を関東圏で初めて設立した。早期発見が難しい胆道がんや膵臓がんに対し、院内をはじめ地域医療機関とも連携して取り組み、術後支援まで行う。
同センターは胆道や膵臓がんなどの悪性疾患や胆嚢結石(胆石)などの良性疾患に対し、先進的医療を安全かつ統合的に提供する目的で設立された。「病気を診るのではなく、人を診る」がスローガン。胆道と膵臓に特化したセンターは関東圏では初。
胆道や膵臓は一般的な健康診断では診ることがなく、人間ドックなどによる超音波エコーでないと検査ができない。またこれらのがんは初期は自覚症状がないため発見が遅れるケースが多く、近年増加傾向にあるという。国立がん研究センターによると、全国統計で死因の4位にあがっている。
センター内では消化器内科・外科、腫瘍内科などが密に連携。手術や化学療法(抗がん剤)、緩和医療などの直接的治療のほか、糖尿病管理や手術前後の運動療法・栄養管理など全身サポートまで行う。早期発見が高い生存率や患者の負担減につながることから、小林センター長は「コロナ禍ではあるが、ちゅうちょせずに定期健診を受けてほしい」と呼びかけている。同センターは紹介状がなくても、平日午前11時まで初診を受け付けている。
地元から期待感も
膵臓がんの発症は喫煙や家族歴、糖尿病などの関連が指摘されており、同センターでは近隣の医療機関と連携し、危険因子のある人を検査して早期発見を目指す。宮前区医師会の中田雅弘会長は「紹介できる専門センターが近隣にあることは地元医師会としてとても助かる。地域医療の質向上につながる」と期待を寄せ、「実際に連携することで、何人もの患者を救えた」とも。
6年前に同院で膵臓がんの治療を受けた犬蔵在住の80代男性は「おかげ様で元気でやっている。近隣にこういったセンターがあると、心強く安心できる」と話す。
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