今年は多くの海水浴場で海開きが予定されている。この2年間は新型コロナの影響で自粛を余儀なくされ、久しぶりに海へ行こうと計画している人も多いのでは。そこで今回は、ライフセーバーの有資格者であるサギヌマスイミングクラブの吉田和歌奈コーチ(49)に水難事故にあわないための注意点を聞いた。
吉田さんは3才で水泳を始め、高校から実業団までは陸上に打ち込んだ。「自分の特技を生かせる人のためになる職業に就こう」と24歳で資格を取り、九十九里海岸(千葉)で約10年間、豪・ゴールドコーストで約10年間「ライフガード」(命を守る者)として働いた。
ライフガードは事故を未然に防ぐために遊泳者を監視している。もしも溺者や傷病者が出た場合は速やかに対処するという。「離岸流(沖に向かっての流れ)があるのでいきなり入るのは危険。海のコンディションをライフガードに聞いてから楽しんで」と呼びかける。「浮具を使うのも日本だけ。自ら沖に流されに行くようなものだ」と警鐘を鳴らす。さらに、日本では圧倒的に「迷子」が多く、「子どもから目を離さないで」とも。
日本とオーストラリアでの仕事経験がある吉田さんは、両国のライフガードの違いについて「リスペクトの度合い」を挙げる。「オーストラリアでは尊敬の対象になっているので注意を真摯に受け止めてくれるが、日本では言い訳されることが多い」。実際、日本のメディアで報道される水難事故の多くは、「遊泳時間外かエリア外がほとんど」と嘆く。
夏になると多摩川でも水難事故が多くなる。川にはライフガードがいないので、ライフジャケットなどの準備が不可欠だ。「それができなければ川には入ってはいけない」と強調。もし、溺れた場合は「落ち着いて、ラッコのような体勢で浮いて助けを待ちましょう」と教えてくれた。
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