川崎市はこのほど、市内の市民生活や文化、地域風土に根ざして継承されてきた文化財を地域文化財として顕彰・記録する市地域文化財23件を決定。宮前区からは影向寺の胎内仏2体と、庚申塔の計3件が選定された。
区内から選ばれたのは、木造女神坐像、木造如来坐像、馬絹平台の庚申塔-の3つ。
木造女神坐像と木造如来坐像は、今回選定された中で唯一の彫刻。影向寺(野川本町3の4の4)の国指定重要文化財の本尊・薬師如来坐像の中から戦後に発見され、代々住職が仏壇で保管してきたという「胎内仏」といわれてきたもの。どちらも「薬師三尊像の歴史の一部を語る上で重要である」と評された。
馬絹平台の庚申塔は、1718(享保3)年に建てられたもの。疫病を封じ、災害予防、五穀豊穣等、地域の守り神として観音様、地神塔とともに境界に建てられ、地元住民に長く信仰されてきた。今も平台睦会(平台講中)や町会などが保全する活動を続けていることも評価の一因となった。
今回は、昨年4月から3カ月の期間中に、市内の社寺や、歴史・文化財に関わる団体、小学校などからの推薦を受け、応募された23件全てが認証された。認定数は過去最少となり、市担当者は「今後は地域活動をする団体に声掛けし紹介してもらうなどし、引き続き地域の文化財を認定していきたい」としている。
地域文化財顕彰制度は、地域で守られてきた文化財に光を当て価値を伝えていこうと、2017年に創設された。建造物や絵画、彫刻、祭事などが対象で、5回目となる今回を含め、213件が選定されている。
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