ピカソの代表作『ゲルニカ』にちなんで子どもたちが平和への思いを描く「キッズゲルニカ」。川崎市内で活動する団体が10月15日、ウクライナで2017年に描かれた作品を宮前区民祭で披露。約20年前に向丘中学校が実施した取り組みもパネル展示した。
市内を中心に活動する紙芝居師の望月晶子さんが代表を務める「かわさきキッズゲルニカ」が、ピカソがスペイン内戦での無差別爆撃に抗議して描いた『ゲルニカ』と同じ、縦3・5メートル、横7・8メートルの巨大な作品を区役所壁面に掲げた。「絵は50カ国以上で制作されているが、同じ『平和』という言葉でも国によってとらえ方が違う」と話す。
望月さんはスペイン人の演者との交流を機に、1995年に立ち上げられた国際的なアートプロジェクトの存在を知り、「自分にできることを」と4月に団体を発足した。「川崎の子どもが平和のメッセージを発信していることを大人に知ってもらいたい」と思いを込める。
向中の取り組みも
一方、パネル展示は、紙芝居を通じて知り合った知人から、向丘中学校でキッズゲルニカが制作されていたことを聞いて企画。当時の資料によると、03年から04年にかけて音楽科と美術科からなる「芸術総合」の時間に全学年で取り組み、全校で3枚を仕上げ、05年にはインドネシアの国際展示会で展示されたという。当初、この作品をメインにしようと準備に取りかかった。しかし、現地まで赴いたものの「行方不明」で、代替案としてウクライナの子どもたちの作品が採用された。
プロジェクトに携わった向丘中の卒業生は「今でも当時のことを覚えている。持っている人がいれば提供してほしい」と呼びかける。望月さんは「作品が残っていないことは残念。改めて制作から展示まで実施するプロジェクトを川崎でやりたい」と抱負を述べた。
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