川崎市内初となる保育所併設の児童発達支援事業所が11月1日、土橋に開所した。条例改正に伴い設備や人員の共用・兼務が可能となり、障害の有無などに関わらずすべての子どもが一緒に過ごしながら成長できる「インクルーシブ保育」の環境が実現した。
開所した児童発達支援事業所は「宝翠レインボー」。未就学の障害児が対象で社会福祉法人厚生館福祉会(多摩区)が運営する「土橋宝翠保育園」に併設。同所を利用する子どもは、療育と保育を一体的に受けることができる。
人・設備の兼務可能に
保育所と児童発達支援事業所の併設については、国の省令改正に伴い、市は4月に「川崎市児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例」等を改正。それまで保育所や事業所にはそれぞれ設置基準があり施設や職員は兼務できなかった。改正により、要件を満たせば、施設や職員の共用・兼務が可能となった。
併設となることで、保育士らが混合して支援を行うなど、子どもの特性や状況に応じた支援が一体的に行われる。「より効果的なインクルーシブ保育が期待できる」と市担当者は話す。「支援事業所で日常生活に必要な技能や知識を獲得しながら、保育所の子どもたちと集団生活になじむような訓練もできる」と語る。
同一施設内のため、移動などの点で保護者の負担軽減も見込まれる。また保育所に通う子どもにとっても、支援を必要とする子どもたちと一緒に過ごすことで、幼少期から多様な価値観に対する理解が進むとされる。
今後、市内で同様の併設施設が実現するかは未定。同担当者は「決まったものはないが、相談を受けている。ニーズが多様化し必要な取り組みだと考えているので、より数を増やしていければ」と話している。
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