春の七草セットを乗せた「宝船」を制作した 萩原 明さん 初山在住 83歳
喜ぶ顔が見たくて
○…川崎市制100周年を祝う「宝船」を制作し、初山自治会が管理する平瀬川花壇に展示した。「縁起物と言えば宝船。JAが作っているものにヒントを得て、正月に合わせようと急ピッチで仕上げた」。仲間からもらったイラストを見ながら、廃材を利用して約140cmの船を作り上げた。50年以上前から地域の人に分けている「春の七草セット」を乗せた。「捨てようとしていたCDラックを再利用した。タイミングが良かったね」と笑う。
○…生田緑地の公園整備のアルバイトを経て職員採用された、たたき上げ。1958年の狩野川台風の被害は、今でも脳裏に焼き付いている。「あちこちで土砂崩れがあって、景色が一夜にして変わった。自然災害の恐さを知った」と強調。北陸の被災者にも思いを馳せる。60歳で退職するまでの10年間は等々力緑地でも働いた。生田緑地と等々力緑地、富士見公園をメイン会場に今年開催される「全国都市緑化かわさきフェア」が楽しみだという。
○…現在はトマトやダイコンなど季節の野菜を栽培している。「仕事先で七草セットを作っていて、自宅でも始めた。かれこれ半世紀だね」。ホトケノザの入手が困難になっているのが気がかり。数年前から庭にミニ田んぼを作り、苗を移植して育てている。「七草セットがないと新年を迎えられないと言われちゃ続けるしかないよね」
○…趣味は尺八。コロナ禍で休止するまで40年間稽古を続け、市民館で腕前を披露したことも。PTAや消防団、民生児童委員など地域と深くかかわってきた。自治会長を退いた今も、現場から声がかかるという。「喜ぶ顔を見ると、しばらくやめられそうにないね」。まんざらでもない表情で語った。
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4月25日
4月18日