大事な人が亡くなった後、遺された家族が直面する遺品整理。気持ちの整理がつかないことや故人の思い出を処分できず、なかなか進まないことも多いという。地元育ちの遺品整理士・亀ヶ谷元志さん(29)は「故人や遺族の思いに寄り添うこと」を大切に片付けを進めていくという。
依頼後、対象の家屋に出向き、生活用品や思い出の品を手早く整理していく。本は1冊ずつめくりながら中を確認。不用品は買取やリサイクルに出すこともある。状況次第だが一軒家であれば2日ほどで完了させる。
写真アルバム等はすぐに処分せず、遺族に一度確認してもらう。亀ヶ谷さんは「昔の記憶を呼び戻し、家族同士、会話に花を咲かれることも。もう一度、故人に思いを寄せる時間にもなります」と語る。気持ちの整理にも思いを寄せる。
実体験あるからこそ
昨年祖母を亡くし、亀ヶ谷さん自身も遺品整理を行う側に。しかし家族だけでは片付けを進められず、業者に整理してもらうと気持ちが楽になった。「遺品整理は残された家族ではなかなかできないと実感した。その分、自分もまごころを込めて対応したい思いが強くなった」と話す。
亀ヶ谷さんは川崎北高校を卒業し、10年以上の飲食業を経験後、資格取得や現場修行を経て、(株)タートルプロサービスを設立。飲食業で培ったコミュニケーション術を生かし、丁寧に対話しながら遺品整理に取り組む。
ライフスタイルの変化もあり、生前整理の依頼も増えている。「老後の住まいをコンパクトに」「体力が衰える前に」「子どもたちに迷惑をかけないため」と理由もさまざまだが、本人が決断すれば家族も納得するのだという。「迷っている方を一押しするのも役目なのかもしれませんね」と亀ヶ谷さんは言う。
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