県政報告 「逆介護保険」で100歳時代へ 〜財源を生み出す大きな可能性〜 神奈川県議会議員 そえだ 勝
「人生 100歳時代」の本格的な到来が予想される中、誰もが生きがいをもち、幸福度の高い暮らしができる環境が求められています。神奈川県は2040年を展望した「基本構想」と、24年度から27年度を計画期間とする「実施計画」で構成する新たな総合計画を策定します。私は厚生常任委員会に所属しており、議論を進めております。
少子高齢化に伴う社会保障費の増加が懸念されていますが、財源を生み出す可能性を秘めているのが、私が提唱している「逆介護保険」です。現状の介護保険は「ヘルパーにとっては、高齢者の介護状態を悪化させるほど、報酬が増える。反対にヘルパーが頑張って良質介護をし、状態を改善させると、報酬が減る」という現実があります。この矛盾を逆転させるから、逆介護保険。「要介護度や心身状態改善に対して、成果報酬を付与」。つまり状態改善への報酬増であり、今の介護保険とは逆の発想の仕組みです。
川崎では、「逆介護保険」を導入した結果、事業に参加された方の要介護度改善率が、全国平均の約3倍となる「日本一」の成果が出ました。さらに、要介護度が悪化した人の比率についても、全国平均を下回るなど、1人あたり約5万円の介護給付費の削減につながりました。
全国導入の場合約3380億円
社会保障財政の専門家にこのほど、全国展開した場合の財政効果を試算していただきました。全国の要介護認定者は、約689・9万人です。逆介護保険の導入を全国に拡大した場合、約3380億円の財源を生み出す可能性があるとの試算となりました。これを介護保険改正につなげることにより、多くの財源ねん出が実現でき、子育て・教育へも回すことができます。
介護家族への支援も
要介護者の約7割は在宅介護の方です。要介護者の要介護度を改善するためには、在宅介護を担っている家族介護者への支援も必要です。当事者の声を「逆介護保険」に反映させることで、元気な高齢者を増やし、財源を生むことができる制度の実現を推進してまいります。
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11月22日
11月15日