川崎市は4月2日、ふるさと納税の活用事業に「若者文化の推進」など3項目を追加した。今回の追加は「返礼品ありき」ではないふるさと納税寄付者に向けたもの。税金流出に危機感を募らせている市は「寄付額倍増」に向けて多方面へのアピールに余念がない。
今回、市が新たに活用事業に加えたのは、ブレイキンやスケートボードなどの練習に必要な環境の整備に加え、対応が遅れていた盲導犬などの補助犬に対する医療費助成、そして岡本太郎美術館(多摩区)の作品保護や次世代への継承事業など。寄付金の使い道は計46事業となった。
2008年にスタートしたふるさと納税は、当初は「返礼品ありき」ではなかったが、返礼品の解禁以降は競争が激化。市も「本来の目的に反する」と従来型を維持していたが、19年度に返礼品制度に参入した。
4月2日の定例会見で福田紀彦市長が「流出分を取り返す」と発言するなど、損失分奪還に躍起な一方で、市の担当者によれば「ふるさと納税の認知度が上がった影響で、従来型の寄付額も上昇傾向にある」という。
実際、21年度は民間ポータルサイト経由の寄付額約3億5140万円(約1万5600件)に対し、従来型の寄付は約5億7500万円(同531件)。23年度も、昨年12月までの9か月間で341件の寄付で6億円超を受納した。
市の担当者は「事業自体を応援していただける寄付者に向けても、積極的に情報を発信していく」と話している。
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