川崎市中央卸売市場北部市場(水沢)の機能更新(再整備)に向けた基本計画が、このたび公表された。
1982年に建設・開場された北部市場は、川崎市域を中心とした食品流通の拠点だ。市は、施設の老朽化や社会経済環境の変化に対応した機能強化を図ろうと、2023年11月に「川崎市中央卸売市場北部市場機能更新に係る基本計画(案)」を策定、市民から意見を募るパブリックコメントを経て3月に基本計画をまとめ上げた。
北部市場の敷地面積は、東京ドームの約3・5倍にあたる16万8587平方メートル。青果部、水産物部、花き部では数多くの取引が行われている。市は再整備を契機に、屋根付き荷捌きスペースの不足や非効率となっている動線など、全体的に機能を改善する。「市民に親しまれる市場化の推進」を掲げ、毎週土曜日に実施している「関連朝市」などのイベントを拡充して市民来場の機会も充実させる。4月時点の売り場施設等の規模は3万9674平方メートルだが、機能更新後は約9割に縮小。余剰地は民間事業者へ貸出し、貸付料を得ることで会計の健全化・持続化を図るという。
整備関係費は745億円。現敷地内で営業を継続しながら行うローリング工事の手法を採用する。市は今年度中に事業者を選定、来年度に環境影響評価や都市計画変更手続き、基本設計などに着手予定。モデルケースでは29年度に工事を始め、8年後の37年度に完成、全棟で共用を開始する想定となっている。
市の担当者は「機能更新を通じて、時代に合った地域に愛される市場にしていきたい」と話す。
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