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宮前区版 公開:2024年7月12日 エリアトップへ

フリースペースたまりば 「居場所のまなび」刊行

社会

公開:2024年7月12日

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冊子『居場所のまなび』(上)監修した友兼大輔さん(下)
冊子『居場所のまなび』(上)監修した友兼大輔さん(下)

 学校に行かない子どもたちが通うフリースペース「えん」(高津区)を運営する認定NPO法人「フリースペースたまりば」(中原区)が、子どもたちと共に30年以上続けてきた取り組みを冊子『居場所のまなび』にまとめた。「多様な育ちから」という副題そのままに、遊びや冒険など、子どもたちの日常自体が学びであることを視覚的にまとめている。

 フリースペース「えん」は、「川崎市子どもの権利条例」に基づき川崎市が開設した「川崎市子ども夢パーク」内にあり、子どもたちは「夢パーク」の施設を自由に使える。屋外のプレーパークで鬼ごっこや泥遊びをしたり、順番を決めてパソコンを使ったり、スタッフと一緒に昼ごはんを作ったりといった日常を過ごす。誰かが提案すれば、地域の名人を招いて音楽やアートや理科などの講座も開催。年に一度の発表会に向けて演劇や楽器演奏の練習を重ね、チラシのデザインや内容も作成する。

 「たまりば」ではこうした日常生活の中に学びがあるととらえ、子どもたちと向き合う中で大人が大切にすることも言語化し、共有してきた。

 今回の冊子は計14ページ。まず冒頭で、「知るための学び」や「ともに生きるための学び」などユネスコが定義した「学習の柱」や、プログラミング教育の専門家ミッチェル・レズニックが提唱した「創造的な学び」の4要素を紹介。そのうえで「えん」の営みを写真つきで紹介し、ユネスコの柱やレズニックの要素を重ね合わせることで、随所に学びがあることをビジュアル化した。「空気を読めない子どもたちが緊張を和らげる」「みんな仲良くとは言わない」など、「たまりば」として大切にしていることも掲載している。

 夢パーク所長の友兼大輔さん(44)は「長い時間をかけて日常の中の学びについて考え続けてきた。その集大成」と語る。『居場所のまなび』に関する問い合わせは「えん」(【電話】044・850・2055)。

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