「日本PTA全国研究大会川崎大会」が8月23日と24日の2日間、川崎市とどろきアリーナ(中原区)で開かれる。年に一度、持ち回りの開催地に全国のPTA関係者が集まる一大イベントだ。初日は、「川崎市子ども夢パーク」を運営する認定NPO法人「フリースペースたまりば」理事長の西野博之さんが全体基調講演に立つ。学校に行きづらい子どもたちに寄り添い続けた経験から、「多様な居場所」の重要性を発信するという。
今回の「PTA全国研究大会」は「ウェルビーイングの実現を、川崎の地から」をテーマに開かれる。副題には「活かそう『縁』の力」を掲げ、PTA活動がつないできた家庭・学校・地域の間の「縁」に焦点を当て、子どもたちと家族がよりよく生きられる社会の実現を考えるという。
全体基調講演に立つ西野さんは約40年前から、学校に居場所を見い出せない子どもたちの居場所づくりに奔走してきた。当初は「不登校は甘えだ」などの偏見が根強く、異端とみなされた時代だった。2017年には不登校の子どもたちへの支援の必要性を明記した「教育機会確保法」が施行され、昨春には、すべての子どもが幸福に暮らせる社会の実現をうたう「こども基本法」が施行された。それでもなお年間約30万人の子どもが学校に居場所を見い出せずにいる。
西野さんは今回の講演でそうした実態に触れ、「学校の外でも安心して過ごせる居場所や多様な学びの場を、社会の中に位置付けることの重要性と必要性を伝えたい」と意気込みを語る。
「不登校でも大丈夫」
そして「大会」を前に刊行した自著『学校に行かない子どもが見ている世界』では、不登校に悩む子をもつ親や教師が抱きがちな誤解を、子どもの視点から読み解き、西野さんが解説することで、親や教師が「そう考えればいいのか」と思えるヒントを詰め込んだ。
部屋に引きこもり、昼夜逆転生活を送る子ども。四六時中、オンラインゲームばかりしている子ども。親や教師の視点から見ると「困った事例」だが、子どもの視点からは「心を守るため」「命をつなぐため」など、生き延びるために不可欠な方法であることを、マンガで読みやすく解説。全編を通して「学校に行けなくてもちゃんと生きていける。大丈夫!」というメッセージを込めた一冊に、当事者の親から「気持ちが楽になった」などの声が寄せられているという。
西野さんは「全国から集まる教育関係者の方々と共に、子どもたちの幸福のために大人にできることを全力で考えていきたい」と話している。
宮前区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
秋の褒章・叙勲 区内から8人11月22日 |
|
|