「リンゴ病」の通称で呼ばれる発疹性感染症「伝染性紅斑」が川崎市内で流行している。6月に感染者が増え始めて8月下旬から急増し、市内の患者発生状況を定点調査する「感染症発生動向調査」で基準値を超えたため、市は9月10日に流行発生警報を発令した。伝染性紅斑の警報発令は6年ぶり。
伝染性紅斑は「ヒトパルボウイルスB19」というウイルスが引き起こす感染症で、主に就学前後の子どもを中心に流行する。接触で感染するほか咳やくしゃみなどの飛沫でも感染するため、市はこまめな手洗いや咳エチケットを呼び掛けている。
感染初期には微熱やくしゃみなど風邪に似た症状がみられ、感染後10日から20日で両方の頬に赤い発疹が現れる。発疹が出てから1週間前後で感染力は消えるが、妊婦が感染すると胎児の心機能低下につながり、胸や腹部に水がたまる「胎児水腫」を引き起こすこともあるため、注意が必要だ。
「感染症発生動向調査」は複数の医療施設で感染症の発生状況を定点調査し、1週間ごとの患者数の平均値から流行の度合いを判断するもの。今回は小児科37施設で、伝染性紅斑の患者が9月2日から8日の間に警報の基準値「2人」を超える2・19人となったため、警報発令となった。
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