県政報告 「逆・介護保険」を広げ、次世代へ投資 日本維新の会 神奈川県議会議員 そえだ勝
宮前区で地方議員を14年近くさせて頂いてきました。宮前区の皆さんから、政治家として、お育てを頂いたからに他なりません。心から感謝申し上げます。
さて、前年度は、県議会厚生常任委員会に所属し、「逆・介護保険を県全体に広げ、そして、日本全体に広げる」という、目標に向かって、ひた走ってきた時間でした。一方、今年度からは、文教常任委員会に所属し、今度は子育てや教育について議論する委員会で活動しています。
「逆・介護保険で財源を生み出し、子育て・教育へ再投資」というもう一つの自分のテーマを掲げ、「介護から子育て・教育まで」、私が選挙の時から訴えてきたことを体現できた、2年近くの時間となりました。
そこで、今回は、逆・介護保険をきっかけにした次世代への投資という流れを鑑みて、改めて、逆・介護保険について、振り返ってみたいと思います。
「逆・介護保険」とは
少子高齢化に伴う社会保障費の増加が懸念されていますが、財源を生み出す可能性を秘めているのが、私が提唱している「逆介護保険」です。現状の介護保険は「ヘルパーにとっては、高齢者の介護状態を悪化させるほど、報酬が増える。反対にヘルパーが頑張って良質介護をし、状態を改善させると、報酬が減る」という現実があります。この矛盾を逆転させるから、逆介護保険。「要介護度や心身状態改善に対して、成果報酬を付与」。つまり状態改善への報酬増であり、今の介護保険とは逆の発想の仕組みです。
川崎では、「逆介護保険」を導入した結果、事業に参加された方の要介護度改善率が、全国平均の約2倍をはるかに超える「日本一」の成果が出ました。さらに、要介護度が悪化した人の比率についても、全国平均を下回るなど、1人あたり約5万円の介護給付費の削減につながりました。
全国導入の場合約3380億円
社会保障財政の専門家にこのほど、全国展開した場合の財政効果を試算していただきました。全国の要介護認定者は、約689・9万人です。逆介護保険の導入を全国に拡大した場合、約3380億円の財源を生み出す可能性があるとの試算となりました。これを介護保険改正につなげることにより、多くの財源ねん出が実現でき、子育て・教育へも回すことができます。
介護家族への支援も
しかし、「逆・介護保険」にも課題はあります。それは、「逆・介護保険」はどちらかというと、介護現場への還元策としての要素が強いことです。今、日本の要介護者の約7割は在宅介護の方です。要介護者の要介護度を改善するためには、在宅介護を担っている家族介護者への支援も必要です。私が一昨年出版した『持続可能な介護保険制度の考え方』(逆・介護保険を中心とした介護保険法改正案。2024年重版決定)でも書きましたが、ドイツの介護保険制度が参考になります。ドイツでは、介護保険サービスを利用せず、家族介護を選択する場合は、「現金給付」という選択が取れます。私が目指す、「逆・介護保険」の要素が入った介護保険法改正では、要介護度が改善した高齢当事者の家族にも「金銭的動機付け」を付与するという、消費者のメリットも加味することを想定しています(年金搾取があるように、その使い方のチェック体制は必要ですが、紙幅の関係上、ここでは割愛します)。金銭的付与をしてもなお、要介護度改善は行政には財政的メリットは失われません。
以上より、それができれば、介護現場事業者、高齢当事者・家族、行政という、介護を取り巻く三者が得することとなり、介護現場待遇改善、元気高齢者増加、財政持続性と財源ねん出という、グッドサイクルを機能させていくことを目指します。そして、財源を子育て・教育・医療・介護へ再投資できる社会づくりに向けて、精一杯、頑張って参ります。
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11月15日
11月8日