川崎市はふるさと納税の返礼品に、市内を運行していた「バス小型車」や行先を表示する「LED方向幕」などの市バスの付随品などの出品を決め、10月2日に発表した。
出品が決まったのは、多摩区内を運行していたバス小型車2台。寄付金額1300万円の返礼に1台を贈呈する。
車両年式はいずれも2011年度で、全長約7m、車幅約2m、高さ約3mで、運転手1人、乗客35人が乗ることができる小型バスだ。11年9月に開館した「藤子・F・不二雄ミュージアム」(多摩区)の来館者を登戸駅(JR、小田急線)から運ぶ直行バスとして導入されたが、ミュージアム人気の高まりとともに、より大型のバスが必要となり、役目を終えた。走行距離は9万1500Kmと10万800Km。大型自動車第一種免許があれば一般ドライバーでも運転は可能だが、「旅客」を運ぶ場合は大型二種免許が必要になる。
車両以外にも、70万円の寄付に対する返礼品として、バスの行先を知らせる「LED方向幕」を、行先のデータや電源変換機などとセットで出品。廃車となったバスの部品や、実物のバス停標識も出品する。
考案した市交通局の担当者は「全庁的な取り組みが続く市のふるさと納税の『目玉商品』を考えるうえで、交通局としても話題になるものを考えた」という。
返礼品として出品するには、総務省が定める「地場産品基準」に適合する必要があるが、市は「基準5」の「広報目的で生産されたキャラクターグッズやオリジナルグッズ」に類するものに当たると判断。総務省の担当者によれば「バス車両を返礼品に出品するのは珍しい」という。
また新たな返礼品としては、市外在住者を対象に、市立井田病院で実施する「人間ドック」の日帰りコースや、診察の対象を「膵臓」や「乳がん」などに限定した「そこだけドック」なども出品する。人間ドックを返礼品にする自治体は横浜市や東京都八王子市など複数あり、先行事例を参考にしたという。市の担当者は「ふるさとの両親へのプレゼントなどにも活用して頂きたい」と期待を込めた。
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