川崎市内の市立小学校と中学校で2023年度に不登校だった児童生徒数が初めて3千人を超え、いじめの件数も初めて5千件を超えたことが分かった。神奈川県が実施した23年度「児童・生徒の問題行動・不登校等調査」から、市教委が市内の状況をまとめ、10月31日に発表した。
調査によれば、23年度の市立学校でのいじめの件数は、小学校で5192件(前年度比578件増)、中学校で280件(同38件減)で、小学校の増加が際立つ。そのうえで、今年7月までに被害者が「いじめられている」と感じなくなった状態が続き、いじめが「解消された」と認められた割合は、小学校で97・6%、中学校で88・9%だった。
「暴力行為」は小学校が194件、中学校で145件で、いずれも減少した。
市が「喫緊の課題」と位置付ける不登校の児童・生徒数は、小学生が前年度より291人多い1435人、中学生は154人多い1826人だった。いずれも増加傾向は続き、小学生は19年度の700人の2倍以上、中学生は19年度の1・3倍だった。
不登校の理由としては、「不安・抑うつの相談があった」が小・中学生いずれも最多で、「学校生活に対してやる気がない等の相談をうけた」「生活リズムの不調に関する相談があった」などと続く。
一方で23年度内に教員の家庭訪問やスクールカウンセラーの対応などにより、再び登校した小学生は542人、中学生は435人いたという。
不登校の児童・生徒数は全国的に増加しており、市でも同様の傾向が止まらないことから、今年7月には「不登校対策の充実に向けた指針」を策定した。市の担当課は「これまでの取り組みを見直し、当事者に丁寧に向き合い、課題に取り組んでいく」としている。
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