公園内の喫煙の取り扱いについて、「原則禁煙」とする川崎市の方針案のパブリックコメント(市民意見募集)の実施結果がこのほどまとまり、市が11月22日に公表した。原則禁煙化の一方で「一部の公園には喫煙可能スペースを設置する」とした内容に、市民からは「全面禁煙」を望む声が多く寄せられた。
公共施設の喫煙は神奈川県の「受動喫煙防止条例」に基づき対策が行われてきたが、公園は喫煙禁止の対象に指定されていない。また改正健康増進法では屋外での喫煙者に「配慮義務」を求めているが、実効性が担保されていない。そのため公園内でのたばこのポイ捨てや子どもたちの受動喫煙の問題など、喫煙マナーの問題に関する声が多く市などに寄せられてきた。
このため川崎市は市の都市公園条例の禁止行為に「喫煙」を加え、公園内の喫煙を原則禁止とする一方、常駐管理者がいる18の公園には喫煙可能スペースを設けるとの方針案をまとめた。
方針案より厳しい声
そのうえで方針案に対するパブコメを9月10日から10月10日まで実施した結果、市民からの意見188通のうち、市の方針より厳しい「全面禁煙を望む」意見が全体の45・2%を占める結果となった。市の方針と合致する「原則禁煙を望む」意見は10ポイント以上低い33%だった。一方、公園を禁煙とすることに否定的な意見は12通で6・4%だった。
今回のパブコメの結果、市民からの「行事の時は特例が必要だ」との意見を受け、都市公園条例第3条に基づく「公園内の行為許可」を主催者が市に届け出ることで、イベント時に一時的に喫煙可能スペースを設置できる項目を、方針案に追加した。また、市の方針案では、喫煙可能スペースの「考え方」として灰皿や囲いなどを「設置しない」としていたが、「パーテーションなどの設置は最低限必要」「灰皿を置き、日々の清掃など配慮を」といった声が多数寄せられたため、公園の常駐管理者と協議のうえ灰皿やパーテーションなどの設置を検討する内容に変更した。
市は都市公園条例の改正を来年2月の定例議会に議案提出する。
宮前区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|