川崎市は、市内の文化資源を使ってコミュニティーを活性化する「アートコミュニケータ」(略称ことラー)の2期生30人を募集中だ。
高齢化社会を背景に、政府は20年に閣議決定した「骨太の方針」などの中で、現代人の孤独やストレスに対処するため薬ではなく人とのつながりを「処方」する「社会的処方」の重要性を打ち出している。これを受けて市は東京芸術大学と提携し、アートを介してコミュニティを育むプロジェクト「こと!こと?かわさき」を昨年度からスタートさせた。
具体的には、すべての人が文化を楽しめる「アートコミュニティー」へと市全体が進化することを目指し、市内の美術館や博物館、パブリックアートや史跡などを舞台に、人と人がつながる機会を創出していくという。結果的にプロジェクトの成果が、生田緑地に移転される「川崎市市民ミュージアム」の新たな事業に継承されることも期待される。
市はプロジェクトを推進する人材として、計100人の「ことラー」を育成する予定。昨年4月から40人が1期生として活動中で、基礎講座や実践講座を通して「アートコミュニケータ」としてのスキルを学んだ後、秋からはチームを組みアートの鑑賞ツアーなどを実行している。
麻生区の飛び地・岡上にまつわる学びのツアーを町田市の西澤正彦さん(79)らと共に企画した宮前区の西村和子さん(63)は、改めて地域とつながりたいと思い、「ことラー」に挑戦したという。「初めて学ぶことがたくさん。新しい世界が開けました」。
「ことラー」の応募条件は川崎市内で活動する意欲のある18歳以上(4月1日時点)の人で、主な活動拠点となる新百合トウェンティワンホール(麻生区)に参加可能なこと。登録は最長3年間まで更新可能。交通費や謝礼は支給されないが、講座やワークショップに無料で参加できる。
所定の応募用紙に記入のうえ、応募動機を作文にまとめ、市の市民文化振興室に郵送する(2月4日必着)。
詳細は市のホームページ【URL】https://www.city.kawasaki.jp/250/page/0000171070.html
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