川崎市は8日、鷺沼駅前の再開発に関して、「区役所・市民館・図書館等の移転可能性を含め検討する」との考え方を初めて示した。今後、市民の意見を聴きながら、来年2月に基本方針案を公表する。
市と東急電鉄(株)は、2015年に包括連携協定を結び、鷺沼駅前広場の再編整備等にあわせ連携した取組として、都市機能の集積とバスの増便・増路線等を可能にする交通結節機能強化を推進するとしていた。
昨年8月に、東急3社、JAセレサ川崎、横浜銀行の同駅前地域の5権利者で構成する「再開発準備組合」が設立され、駅周辺再編整備が具体化。19年度に都市計画決定し、21年度の工事着手を目指している。
一方、地元からは整備にあわせ要望として、「区役所・市民館・図書館の一部機能の移転」(全町連)や「同3施設自体の移転」(再開発推進協議会)が市に寄せられている。
現在の宮前区役所、市民館、図書館、消防署、警察署はそれぞれ隣接した立地にあるが、「最寄りの宮前平駅からは急坂があり不便」という声があるほか、開設後30数年が経過し老朽化が進んでいる。
事業計画を策定する上で3施設を盛り込むことは面積的に可能と市は算出し準備組合も把握。同組合からは昨年12月に「市の速やかな検討を要請する」との打診があり、市は今回「区役所・市民館・図書館等の移転可能性を含め検討する」との考えを示した。
今後は、アンケートやワークショップなどを通して市民の意見を聴き、準備組合が進める再開発事業計画の中で議論が可能となるよう、19年2月には一部機能移転か施設移転かの結論も含め、基本方針案を公表するとした。
市の公表を受けて同駅周辺の町内会・商店会長等で構成する再開発推進協議会の持田和夫会長は「交通機能が充実すれば区役所だけでなく図書館や市民館の利用率アップも期待できるのでは」と話している。
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