川崎市は市バスの運賃を消費増税と同じ10月に値上げするとし、条例改正案を今月12日開会の市議会定例会に提出した。車両更新や安全器具の費用増加、燃料費の高騰などに対する措置で、税込みで大人運賃を210円から220円に引き上げる。
今回の値上げにより、消費増税分を除いた大人運賃は大人191円から200円に。税込みの大人運賃はICカード払いで206円、現金は210円だが、いずれも220円に上がる。税抜きでの値上げは1995年3月以来、約24年ぶり。
子ども運賃は現金が現状のまま110円、ICカード払いは103円から110円に引き上げる。通学定期の値段は現状のままとし、通勤定期は月額9200円から9900円に引き上げ。回数券は廃止するが、購入済みのものは差額分を支払えば使用できる。
市バスは臨海部への企業進出や宅地開発による人口増加により1950年から運行を開始。市によると、現在市内を走行する路線バス乗車人員の約4割を占めているという。乗客数と運賃収入は年々増加傾向にあり、2018年度は1日平均で約13万5千人、年間約5千万人に達すると見込まれている。
運賃収入が増える一方、燃料費は高騰し、バス車両の更新も増加。今年度は全車両にドライブレコーダーを設置するなど、安全器具の費用でも負担が膨らんできたという。
通勤で市バスを利用する50代男性は「値上げ分をどんなことに使うか気になる」と指摘。市担当者は「乗客の安全を確保するためにも、理解してほしい」と胸中を明かす。
サービス向上、安全施策を推進
市は「値上げによるバス増便や路線ルート拡大は予定していない」とするが、路線見直しやダイヤ改正は検討していく。
さらに、2019年度から7カ年計画で、市バス事業経営戦略プログラム案を作成。車両へのLED路肩灯装備や拡大版のバスマップ発行など安全面の施策や市民サービスの向上を目指す。
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