タイムマシーンがあったら、歴史の真相を確かめてみたい、エージェントTだ。先週号の紙面内『宮前検定』で紹介した馬絹古墳公園。行ったことがある人は気になった人も多いのではないだろうか。あの不思議な形をした、石の園名板を。という事で調査してみた。
現地に足を運ぶと、写真で内部を紹介したものや公園ガイドなど、数枚の説明板が設置されていた。古墳の特徴や調査の歴史などが書かれているが、園名版には一切触れられていなかったため、市教育委員会文化財課に話を聞いた。
担当者によると、園名板は1993(平成5)年に公園が整備された際に設置されたものだという。「『横穴式石室』を表したものだろう」との事だった。しかしなぜ、何枚もある説明板に案内もなく変わった形にしたのだろうか?「30年近く昔のものなので、私もわかりかねます。当時の担当がいるので代わりますね」。異動の多い行政機関において、まさか当時の担当者に話を聞けるとは驚きだ。
「確かに説明板にはないですが、馬絹古墳の大きな特徴である『横穴式石室』を軸から切ったようデフォルメしたものです。石室をイメージし、少しでも遺跡に興味を持ってくれたらと、この形にしました」と振り返った。いびつな園名板の裏には、歴史に思いを馳せ、市民に興味を持ってもらおうという職員らの粋な計らいがあった。