佐藤貴房さん(46)=馬絹在住=が6月、歴史建造物のAR化を区職員に発案した。SNSの投稿から今春開催された、区民発の歴史勉強会がきっかけ。「まだ何も動いてはいないが、語る事で進んでいくこともあるかもしれない」と夢は広がる。
みやまえスモールビジネスネットワークなど、地域活動に取り組む佐藤さんが、スマートフォンなどの機器を通して見た現実世界にデジタルコンテンツを表示する拡張現実「AR」を使った歴史建造物の復元案を区職員にプレゼンした。「何かが始動したわけでもなく、話しただけですが」と前置きしたうえで、「古墳を造った豪族や竪穴式住居、高床式倉庫など、今では想像しにくいが古代にあった風景を見られたら」と夢を語る。
契機となったのは、フェイスブック内のコミュニティグループ「ふらっと宮前区」から実現された歴史の勉強会。佐藤さんが近隣神社の話を投稿したところ、グループ登録者(7月3日時点5603人)で盛り上がり、宮前区周辺の歴史についての勉強会の開催が決まった。
佐藤さんの友人と、同コミュニティで知り合った2人の計4人が運営。3月に「杉山神社 神さまルーツ」を、4月には「ふらっと宮前 おさんぽ探求学習 古代の国造りと影向寺」をテーマに、ウェブ会議ツールZoomを活用して開催した。
勉強会は歴史好きな佐藤さんが講師を務め、古墳時代や律令時代について語り合った。佐藤さんは「それぞれ10人ほどの参加があった。親子の参加もあるなど、幅広い年齢層が思っていたより集まった」と振り返り「気付いたら歴史を見る目が変わり、興味が深まるような会になれば」と抱負を語った。
区主催のワークショップを傍聴した際に、区職員と対話する機会を得た佐藤さんは、以前から温めていたAR化を相談した。佐藤さんは「声にすることで協力者が現れれば」と希望を語り、宮前市民館担当者は「実現できたら面白い。市民の提案として市民企画事業などを活用してもらい、スタートアップに向け並走できれば」と話した。
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