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宮前区版 公開:2021年10月1日 エリアトップへ

野川中1年佐藤大地さん 夢のプロレスデビュー ほろ苦リング「強くなる」

スポーツ

公開:2021年10月1日

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デビュー戦でキックを繰り出す佐藤さん(中央)
デビュー戦でキックを繰り出す佐藤さん(中央)

 野川中学校1年の佐藤大地さんが9月17日、川崎とどろきアリーナ(中原区)で行われたプロレス団体「ヒートアップ」(多摩区)の興行大会で、プロデビューを果たした。夢に見た初のリング。惜しくも敗戦したが、現在は「強くなる」と決意新たにトレーニングに励む毎日だ。

 デビュー戦となったトリプルタッグマッチ。入場前に袖から会場を覗くと、今まで経験したことのない観客数と会場の雰囲気に「やべーな」と呟くほどに緊張していたが、自らを鼓舞するように吠えて気合一閃、リングへ上がった。

 応援に駆けつけた友人や中学の担任らの姿に勇気をもらい、「自分が一番輝けるように」と臨んだ試合。佐藤さんには頭部や首へのダメージを禁止するジュニアルールが適用されたが、相手のチョップに対し得意のキックで応酬。打ち合う見せ場も作った。しかし、年上の選手の力の前に、3カウントを取られ敗戦した。「最後はやり返せなかったが、ユーチューブでずっと見ていた選手たちに胸を借りることができた」と興奮冷めやらぬ様子で振り返る。

 TAMURAのリングネームで選手も兼任する、同団体の田村和宏代表は「まだ子どもな部分もあるが、僕ら以上のものを持っている」と評価。「これからの試練を乗り越えた先に素晴らしい未来が待っているはず。夢や希望を与えながら、努力を惜しまず頑張ってほしい」とエールを送った。

「超人みたいに」

 佐藤さんがヒートアップの門を叩いたのは、小学4年生のとき。1年生から空手を続けていたが、ユーチューブで見たプロレスに「超人みたいに強くてかっこいい」と魅了された。体験に行くと「求めていたのはこれだ」と、プロレス一本に絞りのめりこんだ。

 「憧れのリングの上で練習できるのがうれしくて」と練習に打ち込み、今ではキッズクラスを指導する側に。2つ年下の妹も汗を流す同クラスは「レベルが高い。応援してあげたい」と面倒見の良い一面ものぞかせる。指導後に自身の練習に精を出し「汗をかいた分だけ強くなっている自信がつく」と胸を張った。

3度目の正直

 8月からプロテストを受けていたが、2回連続で不合格。「このままでデビューできるのか」と不安がよぎり、「これでダメだったら、出直す覚悟で挑んだ」3回目のプロテストで合格。9月11日、試合のわずか6日前だった。

 憧れるのは、同団体所属の兼平大介選手のような「ゴツくて力強い選手」だ。体がまだできていないため筋力トレーニングは禁止されているが「早く筋トレして、強くなりたい」と笑う。現在、170センチ90キロ。恵まれた体格と生まれ持った体の柔らかさ、空手仕込みのキックで初の勝利を目指す。

 今後は、10月30日名古屋、11月10日新百合ヶ丘、12月11日の興行大会に出場予定。

佐藤さん
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