鷺沼駅周辺の街路樹にムクドリが大量に集まり、地域住民を悩ませている。例年この時期に群れを成して訪れるため、川崎市道路公園センターは撃退音とされる、警戒するムクドリの鳴き声を流す対策を講じているが、根本的な解決ができず苦慮している。
多くのムクドリが集まるのは鷺沼橋近くの木々。下を通る際にフン害のため傘を差す人も見られる。フンが落ちた後に雨が降ると臭いも酷く、感染症を不安する声も。近隣マンションの住人などは、鳴き声による騒音に悩まされているという。
道路公園センターによると、ムクドリは渡り鳥のため、例年夏前から11月上旬まで見られ、同様の被害や苦情が寄せられているという。日中は区内に多い緑地で見られるが、夕暮れ時になると群れを成して決まった場所に飛来している。
効果は2週間
ムクドリは体長24センチほどで、多い場合は数万羽の群れを成すこともある。夜間は外敵から身を守るために人気があり明るく高い場所で過ごす習性を持つ。かつては里山に生息していたが、都市化にともない住宅街で見られるようになった。
同センターでは、2018年から対策を講じている。ムクドリが危険を感じた際や、助けを呼ぶ際の鳴き声を録音した撃退音を、職員がラジカセで流している。馴れてしまうと効果がないため、月に1度、3時間程度の頻度で実施。一度流すと危険を感じた鳥は飛び立ち、10分ほど旋回してから、また戻ってくる。同センターでは「暗くなるまで繰り返すと2週間ほどは寄り付かなくなる」としているが、効果は一時的だ。
県内各地でも同様の被害が出ており、宿木をせん定するなどして対応する。しかし、同センターの担当者は「せん定しても近隣の木に散るだけで、結局イタチごっこになってしまう」と困惑。ムクドリなど野生の鳥類は、鳥類保護法により農作物や人的被害が出ているなどの例外を除いて原則捕獲が禁止されているため、根本的な解決ができていないのが現状だ。
さぎ沼商店会の菅原一夫会長は「以前から遠回りする人もいると聞く。商売にも影響が出てしまう。被害が大きくなる前に、地域の安心安全のためにも、対策を講じてほしい」と要望を語った。
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