全国で初めてヘイトスピーチに刑事罰を盛り込んだ「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」の制定から2年が経過した。川崎市労連会館(川崎区東田町)では12月9日、条例制定後2年間の経過や成果、課題について学ぶ市民集会が開かれた。
「ヘイトスピーチを許さない『かわさき市民ネットワーク』」(関田寛雄代表)が主催。同ネットワークの事務局の三浦知人さんが登壇し、報告を行った。三浦さんは「今なお続き、拡大するヘイト街宣に対し、監視の目を強め、抗議活動を粘り強く続ける市民運動の力が最大の成果」だと強調した。条例の効果として、露骨なヘイトスピーチがなくなったことを挙げた。一方で「差別主義者は選挙活動や政治活動の一環として、差別街宣を繰り広げている」と指摘。「特に、川崎区池上町の『不法占拠』や朝鮮学校への差別キャンペーンは許せない」と三浦さんは憤った。
差別主義者の言動がエスカレートしている点について「市が毅然とした実効性ある対応をしなかったがゆえ」と、三浦さんは市の姿勢に厳しい目を向けた。「一部では条例を作ってまだ(反ヘイト活動を)やっているのかという声があるが、差別は続いている。このことを放っておいていいのか。市民社会に明らかにしていく作業が必要」と力を込めた。
同ネットワークの崔江以子(チェカンイヂャ)さんからは、インターネット上の差別的書き込みについて報告が行われた。崔さんは差別言動にあたるかどうかの判断について市職員が足切りするのではなく、川崎市差別防止対策等審査会に諮るべきと訴えた。
集会では、川崎区桜本の識字学級などに通うハルモニ(おばあさん)からのビデオメッセージが流され「言葉で人を刺すのはやめてほしい」との切実な思いを紹介。また、川崎駅前で読書を通じて差別主義者を監視する駅前読書会などの団体によるリレートークも行われた。
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