近隣とのコミュニケーションを目的に、陶芸作家の砂田紘子さん(83)=五所塚在住=が、製作した作品のガレージセール「五所塚窯出し」を12月23日に開催した。今回で19回目を迎えるほど根付いたイベントだ。
砂田さんは中学の美術教諭として市立中7校に勤務。定年退職後に陶芸の勉強を始め、作品づくりを開始した。市内で歴史ある公募展「第48回かわさき市民美術展」で特選を受賞。
自宅には「五所塚窯」と冠した工房を構え、日々の作品づくりに取り組む。一貫したテーマは「宇宙」。粘土で成形した球体に、釉薬で宇宙をイメージした色を出せるよう工夫を重ねる。
美術展などに出展する作品づくりの合間に行うのが「ワンコインほどで買えて食事を楽しめるような陶器」の製作。地域に還元しようと、年に一度ガレージセールを開催し、陶器を販売している。砂田さんは「地域の皆さんとコミュニケーションを取る場にしたいと始めた。粘土代くらいが返ってくれば」と経緯を語る。
コロナ禍で2年ぶりの開催。当日は砂田さんの自宅に小皿やマグカップ、花瓶、辰年の置物など約400点が朝から並んだ。近隣住民をはじめ、埼玉県から来た人も来場。午前中には約40人が訪れ、陶器を手に取りながら、色や大きさを吟味し買い物を楽しんだほか、砂田さんとの会話に花を咲かせた。菅生中で砂田さんに美術を習ったという女性は「同窓会で先生の陶芸を知った。会えたのも嬉しいし、元気をもらえる」と話した。
砂田さんは「陶器を通じて話せるのが楽しい。皆さんとのつながりに感謝している」と語った。
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