北部市場水産仲卸協同組合 "魚離れ"改善、食育から 保坂理事長にインタビュー
進む「魚離れ」に歯止めをかけようと、川崎北部市場水産仲卸協同組合では食育の取り組みを進めている。先月20日には宮崎台幼稚園で初めての出前授業を実施。企画への思いや組合としての考えについて、保坂朋宏理事長に話を聞いた。
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「もともと食育をやってみたかった」と明かす保坂理事長。中央卸売市場の役割として「川崎市の台所というだけではなく、"食"を発信する場所であるべき」との考えが従来からあった。料理教室を超えた方法を模索していたところ「味覚を育てる幼少期こそ必要」と思い立ち、幼稚園への出前授業という試みにたどり着いた。
コロナ禍もあり順調には進まなかったが、組合メンバーや行政の賛同も得て、昨年末に川崎市幼稚園協会、今年1月に園長会でのプレゼンが実現。今年度に3園、来年度に4園での実施が決まった。
初回の宮崎台幼稚園では、アジやサバ、イワシなどの身近な魚を用意。「子どもたちがお店で見かけたときに思い出してもらえるように。また食べたいと思ってもらえたらうれしい」と話す。
魚の捕獲量は年々減少し、価格も上昇傾向。魚を取り巻く環境が厳しいことは自身も切に感じている。「結果が出るには時間がかかるけれど、食育は本来そういうもの。だからこそ地道に継続していく」と前を向く。
出前授業では園の食育方針に応じて内容を変えていく予定だ。「先生たちが伝えたいことが一番大事。しっかり向き合って、応えていきたい」
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10月4日