京急川崎駅前でバスケットボールやアーバンスポーツが楽しめる空間「川崎市若者文化創造発信拠点」(川崎区)。再開発事業に伴う2025年度中の閉館後、市は同区内の国道409号用地への移設を決め、新施設の整備と運営に関して(株)ディー・エヌ・エー(DeNA)と事業実施に向けた協定を結んだ。
通称「カワサキ文化会館」と呼ばれる同施設は、京急川崎駅から徒歩1分の場所にある。外観はパチンコ店だった当時のままだが、施設に入ると、バスケットボールやスケートボードなどが楽しめるマルチパーパスコートが広がり、全身鏡とスピーカーを備えたダンススタジオがある。壁面を彩る大胆なグラフィティも印象的だ。
同施設は22年8月から、男子バスケットボール・Bリーグ1部の川崎ブレイブサンダースが運営。駅から近く無料で多様なスポーツが楽しめるだけでなく、手ごろに飲食ができる休憩場所もあることから、放課後の小学生から仕事帰りの会社員など幅広い層に定着した。ひと月のバスケ利用者は延べ1500人前後、施設全体では2500〜3000人という。
文化の融合にも期待
当初は再開発までの「期間限定」の予定だったが、予想以上に好評だったため、市は約600m北側に代替地を確保して移設を決めた。そして施設の整備と運営を担う民間事業者を公募したところ、川崎ブレイブサンダースの親会社であるDeNAが選定された。
DeNAの担当者は現在の施設について、「バスケが浸透した上に、バスケを練習しに訪れる子がダブルダッチに挑戦するとか、ブレイキンを練習した後でバスケも楽しんで帰るということが普通に起きている。若者文化が融合し、新たな文化が生まれるチャンスに満ちている」と高く評価。その上で「今の機能をそのまま移転し、これまで以上に『若者文化』の創造と発信ができる施設にしていきたい」と意気込みを語る。
28年には、近隣に川崎ブレイブサンダースの新たなホームアリーナが完成予定だ。DeNAの担当者は「若者文化のすそ野の広がりはバスケ人気にも直結する。可能性を広げていきたい」と話している。
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