宮前区剣道連盟の新会長に就任した 佐伯 昇さん 多摩区在住 70歳
逆境をチャンスに変えて
○...区内にある道場や中学校の14団体335人が所属する宮前区剣道連盟で、今年度から第6代会長を務める。同連盟では大会と2級以下の審査会を年2回実施。昨年まではコロナ禍により無観客で大会を実施してきたが、「YouTube配信」という新たな試みに挑戦した。「遠方に住む祖父母が孫の頑張る姿を見られた、と喜んでもらえた」。逆境もチャンスに変えることができる、会員たちの前向きな姿勢が財産だ。
○...剣道との出合いは中学1年生のとき。音楽が好きでブラスバンド部への入部を考えていた矢先、力強さ溢れる剣道部の稽古風景に遭遇し目が釘付けになった。その場で先輩から声をかけられ、入部を決心。始めてみるとその面白さに夢中になった。最近では昇段試験の審査を受けた際に、中学時代に県大会で対戦した相手と再会するという奇遇も。「お互いに憶えていて驚いた。こんな嬉しい体験も剣道と出合えたからこそ」と目を細める。
○...所属する「菅生剣友会」では副代表を務め、40年近く子どもたちの育成に携わってきた。長年の経験から「叱らなくても、子どもは大人の姿を見て自然と学ぶもの」と考える。異世代が交流する道場では、そのことを多く実感する。「マニュアルを伝えるのではなく、まずは先輩たちの教えを考え、自分たちなりの教え方にしていくこと。今の時代に合った指導方法を見つけていければ」
○...仕事で多忙な日々を送る中、剣道と同じくらい「音楽鑑賞」も大切な生きがいの一つ。休日にはミューザ川崎でクラシックやジャズの演奏を楽しむ機会も多い。「忙しい日常を忘れられる時間」。リフレッシュも大切にすることが、柔軟な姿勢を保つ秘訣だ。
9月13日
9月6日