8月15日に終戦から79年を迎えた。戦争体験者やその遺族が高齢化する中、戦争で亡くなった人の慰霊を続けている宮前区遺族会会長の片山巌さん(71)に話を聞いた。
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片山さんは、父の後を継いで遺族会に入会した。父は、兄が落下傘部隊としてフィリピンの戦地で帰らぬ人になったことから、遺族会の役員を務めるなど活動に力を入れていたという。亡くなる前に「お前の代まで戦死した兄の慰霊を続けてほしい」と頼まれた。
父は無口な性格で、戦争体験を語ることは少なかった。唯一記憶にあるのは、右の股に火傷の跡があり、海軍兵として戦地で、米国の戦闘機の掃射を受けた跡だと話していたこと。
小さい頃は、祖母に連れられ追悼式に参加した。その祖母は、息子の遺骨が戻ってこないことを気にしていたという。
慰霊を続けていく
「私は戦争体験をしたわけではないが、父や祖母の思いを受け継いで、平和な日本を築いてくれた方たちの慰霊を続けていきたいと後を継いだ。会員が減少する遺族会だが、少しでも長く存続をさせていきたい」
宮前遺族会は現在125人が加入している。5月10日に開かれる神奈川県、10月の川崎市の戦没者追悼式への参加をはじめ、靖国神社にも毎年参拝。年に1度、幸区の夢見ヶ崎動物公園にある川崎市戦没者慰霊塔の清掃も行っている。
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