9月9日の「救急の日」を前に、宮前消防署宮前救急隊の消防士長・岡本敬太さん(31)にインタビューを行った。川崎市内では今日6日から、マイナンバーカードで医療情報を把握する実証実験もスタート。岡本さんは救急隊の仕事に対する思いなどを語った。
――今日からマイナンバーカードの読み取り端末を救急車に設置したと聞きました。
「救急隊が健康保険証と一体化したマイナンバーカードを現場で読み取り、かかりつけ医や薬などの医療情報を把握する実証実験です。救急搬送の迅速化や円滑化につなげることを目的に、国が普及促進に取り組んでいます。市内30隊では2カ月間実施されます」
――岡本さんが消防士になろうと思ったきっかけを教えてください。
「大学時代に山岳部に所属しており、登山中に人助けの現場を目の当たりにして志しました」
――入庁から9年が経ちますが、ずっと救急隊の勤務ですか。
「はい、幸消防署を皮切りに、臨港消防署を経て今年度から宮前消防署に勤務しています」
一日平均7、8件出場
――業務内容を教えてください。
「119番通報で救急現場に出場します。一日平均7、8件です。傷病者の症状から必要な救急処置を行いながら、症状に応じた医療機関へ搬送します」
――市内の出場件数の推移はいかがでしょう。
「年々増え続けており、昨年度は8万7591件(前年プラス2815件)でした。熱中症による出場件数は、8月29日時点の速報値で686件。すでに過去最高だった2018年度の584件を上回っています」
――3年前から救急救命士として業務に従事されています。
「救急救命士は搬送途中の傷病者に救急救命処置を施すことができます。医師の指示を受けて、点滴や気道の確保などの救急医療行為を行うこともあります。救急隊員は3人1組で一台の救急車に乗り込みますが、そのうち最低1人は救急救命士の資格を持つ者と決められています」
――心がけていることはありますか。
「傷病者に寄り添う優しい言葉使いを意識しています。よく観察し、症状を見逃さないことが大切です」
考える機会に
――最後に区民へのメッセージを。
「消防局イメージキャラクター・太助による広報活動を9月8日(日)午前9時30分から11時まで、セレサモス宮前店(宮崎)で実施します。かながわひまわりクリニック(宮前平)の屋外広報用ビジョンでは9月8日から14日(土)まで、応急手当普及啓発や救急車の適正利用などの動画を放映します。これを機会に救急について考える機会にしてもらいたいです」
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