川崎市 中学校給食を延期 最大10カ月の遅れ
川崎市は20日、2017年2月に実施する計画だった中学校給食の完全実施について、スケジュールを見直し、延期すると発表した。給食施設の建設の遅れが見込まれるため、提供開始が最大で10カ月遅れるという。
市は昨年11月、麻生区と中原区、幸区に大規模な給食センターを整備して各学校に配送する方式を導入する実施方針を発表した。施設の建設と維持管理、運営を民間企業に委託する「PFI方式」を導入し、2017年2月から実施する計画だった。
ただ、東日本大震災や20年の東京オリンピックによる建設需要の急増で、建設業界では資材や人材が逼迫している状況が続いている。事業者に対する説明会を行ったところ、参加企業55社のうち、7社からスケジュールの見直しに関する意見書が提出された。「ほかのPFI方式の事業に比べてスケジュールがタイト」「大規模給食センターを3つ同時に整備することは難しい」「ほかの川崎市のスポーツ施設などに比べて入札までの余裕がない」といった否定的な意見が相次いだ。
今回の見直しで、川崎区と幸区、高津区の一部、宮前区の一部を対象とする「南部学校給食センター」の運用開始は17年9月に延期。中原区と高津区の一部、宮前区の一部、多摩区の一部を対象とする「中部学校給食センター」、麻生区と多摩区の一部を対象とする「北部学校給食センター」は17年12月に延期することを決めた。市は、段階的に整備することで、人材と建設資材を計画的に確保できるとしている。
市担当者は「早い段階で見直しを発表することで、事業者が入札できるようにしていきたい。突発的な事態がない限り、延期した計画通りに実施できると考えている」と話している。
市内では中学校が全52校あり、給食の実施が延期となるのは給食センターを活用する48校。自校で調理する犬蔵中学校(宮前区)と中野島中学校(多摩区)、小学校と合築のはるひ野中学校(麻生区)と東橘中学校(高津区)は当初の予定通り2016年度中に実施するとしている。
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4月25日