豪雨等による近年の浸水被害多発に伴い、川崎市は、多摩川と鶴見川の浸水想定区域図をもとに、洪水ハザードマップの高津区版を今春、14年ぶりに改定した。河川整備で基本になる降雨量の想定を引き上げたもので、区内5割が浸水する見通しとなった。
これまでの基準では、多摩川が200年に1回程度の確率とされる457ミリ、鶴見川が150年に1回程度の確率とされる405ミリでいずれも2日間の総雨量。法改正により「千年に1回程度発生する可能性のある雨量を上回る」として多摩川が588ミリ、鶴見川が792ミリに更新された。例として2015年の関東・東北豪雨では24時間で551ミリの雨が降り、鬼怒川流域に甚大な被害が出た。
改定後のマップでは、区内の浸水面積は全体の半分を占める8平方キロメートル。浸水の深さは最大、久地周辺や諏訪周辺で5〜10メートルになる。浸水地域となる二子在住の女性は「住んで20年以上、決壊や浸水がなかったので、ここまでの被害は想像しにくい」と話す。一方、北見方町会の藤原忠興会長は「危ない地域だと再認識した。町会で土のうの用意はあるがそれほど量もない。備えが不安」と話す。区危機管理は「まずは自分の住む場所のリスクを知り避難場所確認など対処法を考えるきっかけにしてほしい。個別相談も対応していく」と話す。
マップは区役所などで配布。6月15日に橘出張所、25日に区役所で住民説明会が行われる。
国は全国的な集中降雨による水害の頻発により、2年前に水防法を改正。これを受けて各河川管理者が「想定し得る最大規模の降雨量」を想定して公表した「洪水浸水想定区域図」をもとに、各自治体でハザードマップ作成が進められている。
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