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高津区版 公開:2020年7月24日 エリアトップへ

郷土史には記録されない、たかつの記憶をたどる まちのこぼれ話 第13話 その1 斉藤 二郎さん

公開:2020年7月24日

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◆家族について

 私の生家は、現在の斉藤歯科がある場所(二子2丁目)です。斉藤家はもともと本郷の公家だったようです。小黒家から養子に入った私の祖父が斉藤家を継ぎました。明治初めに発令された徴兵制度では、長男は兵役免除、次男以下は兵役があったのですが、養子に入って家を継げば兵役が免除されました。小黒家の二男坊だった祖父が夫婦養子で斉藤家に入り、今の斉藤歯科のところで居を構えたのです。

 祖父が生まれた小黒家は、もともと甲斐の武田家に仕えていた武家。山梨県の諏訪から落ちてきてこちらにたどり着いたという説や、鶴見の方から落ちてきたという説があります。どちらかはよく解らないのですが、落ち武者で農家に転職したようです。小黒家から斉藤家に養子に入った祖父、斉藤彦太郎がなかなかの商売人で、まだ煙草が民営だった頃きざみ煙草を製造していました。

 毎年大晦日は、朝暗いうちから家を出て、千葉の成田山まで初詣に行き、御百度を踏んだそうです。今でも成田山には祖父が寄進した石碑が残っています。初詣の帰路は、秦野まで回り、煙草の葉を買い付けて帰ってきました。夏に収穫できるものを先払いで買い取っていたそうです。当時、日本銀行と取引していたそうです。明治初期から手形小切手を使っていたというのですから、相当商才に長けていたのでしょうね。
 

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