武蔵溝ノ口駅周辺エリア
「都市と緑」、共存目指して
地元造園家らがイベント
4月11日
区内上作延エリアで活動している老人会「最勝会」(籾山次郎会長=今号・人物風土記=)のメンバー有志が、自分達の住んでいる地元の街並みを再現した「ジオラマ」を作製。近隣の小学校に教材として寄贈した。
半畳サイズの力作
上作延周辺の環境や背景などを立体的に表したこのジオラマを手掛けたのは、籾山会長のほかメンバーの三田久幸さん、小泉春夫さん、渡辺晃さん、益寿計さん、清水輝男さんの有志会員6人。
元々は他の老人会と同様、定期的に茶話会などを開いたり、バス旅行を企てるなど精力的に活動している「最勝会」。だが、折からのコロナ禍の影響で、昨年度は従来の催し等が軒並み中止に。老人会として新たな活動の方向性が求められる中、籾山会長の発案などもあり「ジオラマづくり」の構想が持ち上がったのだという。
取組みに参加した6人のうち、過去にこうした制作物を作ったメンバーはおらず、文字通り手探り状態からのスタートとなったが、仲間の結束力の高さなどもあり、青写真を少しずつ具現化。上作延エリアの明細なマップを畳半帖サイズにまで拡大コピーし、これをジオラマの土台とする手法を編み出した。丘や雑木林など、高さを必要とする模型を作る際、当所は「まぁ、粘土で…」と固まりつつあったアイデアも、よりリアルな成形を可能とする「発泡スチロール」を採用するなど、随所でブラッシュアップを重ねつつ作業は順調に進捗。特にこの発泡スチロールについては、薄い素材を重ね合わせる事で、建物を上手く立体化させることに成功し、リアル感をより創出できたのだという。
「授業に役立てて」上作延ジオラマ
「近隣小に寄贈
また「ジオラマの外枠」については、専門の美術用画材では高価となるため、ガーデニング売場の材木を転用。アイデアで本格的な仕上がりと経費削減を一度に実現してみせたのだとか。
こうした皆の英知を結集し、ほぼ丸1年を費やして完成したジオラマは、明細地図に記載された建物名などをそのまま再現。地域に住んでいる人にとっては自宅の位置を立体的に知る事ができる利点があることから、これを学校の授業で役立ててもらおうという案が浮上。早速先月下旬に近隣小学校に寄贈し、今後は学習教材として用いられる予定となっている。
「冊子づくり」も
さらに「最勝会」では昨年度、並行してもう一つプロジェクトが進行しており、これについても年度末までに完遂した。
ジオラマづくりに参画したメンバーとは別の会員11人で取り組んだのは、会員が皆、愛着を持っている「上作延」「向ヶ丘」の魅力を記録した「冊子づくり」。
作業は高い編集スキルを持った会員の三田義之さんを中心に進められ、皆で地元にまつわる様々な情報や逸話、写真などを収集。また三田さんは「歴史」「見所」「集う」「楽しむ」といったセンス溢れる分類分けなど主に起稿やデザインを担当。読み応えのある内容の冊子を作り上げた。
3月の年度末までに完成したこの冊子「ふるさと」は関係者に献本されたほか、これも授業の教材にしてもらおうと近隣の学校へも寄贈された。
コロナ下、従来の活動がほぼ行えない逆境の中、出来る事を模索し、一定の成果をあげたメンバー達は皆、誇らしそうな表情を浮かべていた。
![]() 細かい作業に没頭する場面も
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![]() 冊子(写真左)づくりに参画した メンバー(後列中央が三田義之さん)
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4月11日