超音波応用機器の製造、販売を手がける株式会社ソノテック=末長=の製品が、今年度の「九都県市のきらりと光る産業技術表彰」を受賞した。同社の「超音波カッター」が実用性や環境面などで評価された。
東京、神奈川、埼玉、千葉と政令市5市で活躍する企業と卓越した技術を表彰し、広く紹介しようと2010年から始まったもの。ソノテックは川崎市の企業として表彰。11月29日に市役所で表彰状を受け取った。
受賞したのは「SONOFILE 超音波カッター」シリーズ。超音波による振動を刃先に伝えることで、切断が難しい樹脂やゴム、不織布などを簡単に切ることができる製品だ。水を利用して切るウォータージェットカッターやレーザーカッターは大がかりな設備が必要だというが、同製品はコンパクトで扱いやすいのも特徴。切り粉や汚水、騒音をほぼ排出しない環境に優しい点や、従来品より安価でメンテナンス性に優れている点も評価された。国内外の自動車、航空機製造メーカー、研究・開発機関など幅広い業種で導入され、トップシェアを誇る。営業技術部の大野龍巳さんは「名誉ある賞に推薦頂き光栄。いろんな企業にどんな見られ方をするか、不安もあるが楽しみ」と笑顔を見せる。開発を担う技術部の加藤毅さんは「日々やってきたことが、ここまで認められる技術だったということが嬉しい」と喜びを語る。
同社は、須藤直彦取締役会長が1982年に創業。超音波を使った磨き装置を開発し、販売する中で顧客の「やすりではなく、カッターを付けたらどうか」という声から超音波カッターが誕生した。どんな依頼も「まずは引き受けてみる、というスタイル」と須藤会長。「お客さんが何を求めてくるか、うちでできるやり方を考える。効果があれば実用化される」。これまでも磨きや切断だけでなく「割りたい」「掘りたい」などさまざまな要望に応える形で製品開発を進めてきた。加藤さんは「今後もニーズに応えて、その中で新しい何かにつながれば。会長のスタンスを引き継いでいく」と前を見据えている。
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