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区内上作延エリアを拠点に活動している老人会「最勝会」(籾山次郎会長)のメンバー有志が、自分達の住まいがある地元の街並みを再現した立体模型「ジオラマ」を制作した。同会のジオラマ作りの取り組みは、昨年5月に次いで2度目。今回の力作は近隣にある南原小学校に寄贈された。
上作延周辺の環境や背景などを立体的に表したこのジオラマ作りは、コロナ禍の影響で従来の催し等が軒並み中止となった同会が、新たな活動の方向性を求めて昨年初めて実施したもの。参加したのは籾山会長のほかメンバーの三田久幸さん、小泉春夫さん、渡辺晃さん、益寿計さん、清水輝男さんの6人。さらに今回から新たに小原有三さん、関口隆雄さん、船木忠武さん、三田義之さんの4人が加わり、有志10人が、約半年間にわたり制作に取り掛かった。
新たに「送電線」も
過去にこうした制作物を作ったメンバーがおらず、文字通り手探り状態からのスタートとなった前回と比べ、2度目となった今回の過程は順調そのもの、といった様相で進捗。前作で考案した「上作延エリアの明細なマップを畳半帖サイズにまで拡大コピーし、これをジオラマの土台とする」といった手法はそのままに、より精巧な作品づくりを目指し、皆でアイデアを出し合い作業を進めていったという。
その結果、前回も高さを必要とする模型を作る際に重宝した「発泡スチロール」についても、今作では、ジオラマ作りにより適した素材を見つけ出し建物を上手く立体化させることに成功した。
さらに前作では表現しきれなかった「鉄塔」「送電線」を登場させることで造形物との大きさの対比がしやすくなり、色調とのバランスもとれた作品に仕上がっており「リアル感をより創出できたと思います」と、メンバー達もその出来栄えに自信をみせている。
「授業で役立てて」
ほぼ丸1年を費やして完成した前作のジオラマと比べ、クオリティを維持しつつ、作業時間を大幅に短縮できた今作品。
前作同様、明細地図に記載された建物名などをそのまま再現しているのも特徴的。地域に住んでいる人にとっては自宅の位置を立体的に知る事ができる利点があることから、これを学校の授業で役立ててもらおうと、昨年は近隣にある小学校のうち、上作延小学校に寄贈した。今作はもう一つの近隣校となる南原小学校へプレゼントする事を決め、先ごろ贈呈セレモニーが同校で行われた。
贈呈セレモニー、和気藹々(あいあい)精巧な作りに驚く場面も
前回、初めて完成させたジオラマを上作延小学校に寄贈した「最勝会」の有志たちは「次回はぜひ(もう一つの近隣校の)南原小学校へ」と誓い合い、今作品づくりに着手してきたのだとか。念願を叶える形となった贈呈セレモニーでは、同校の澁谷加寿子校長に渾身の力作となるジオラマを手渡した。澁谷校長は、そのクオリティの高さに驚くと共に、津田山霊園の「墓石」までも再現している細やかな作業に目を丸くする場面も。同会メンバーに感謝の意を伝え終始、和やかな雰囲気に包まれていた。
「初代」も活躍中
昨年、栄えある初代のジオラマが贈られた上作延小学校では、既にこれを教材として上手に活用している。同校の小林智子校長によれば、コロナ禍で三密を避けるために児童が一斉にジオラマを見学するような催しは行っていないものの「主に3年生の子ども達の『自分たちの街を学ぶ』という授業で役立っていますよ」との事。ジオラマは、同校に通う外国籍や帰国子女の児童が日本語を個別に学ぶための教室に常設されているため「(こうした子ども達が)自分の家がある場所などを見つけては、とても喜んでいますね」とも。
籾山会長は「ジオラマ作りの取り組みで、子ども達が地域により一層、愛着を持ってくれる契機になれば嬉しいですね」と話していた。
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12月20日