川崎市男女共同参画センターの事業「お月さまカフェ」に民間として協力する 藤原 由美子さん 高津区在住 57歳
経験を糧に前へ
○…コロナ禍で暮らしに影響を受ける女性のための、月に一度のサテライトカフェ。昨年は生理用品を寄付するなど「女性への支援に理解がある」として主催者から協力の依頼を受けた。区内で夫と飲食店を営み、カフェでは提供する料理を担当。「食べ物はコミュニケーションのきっかけになる。リラックスして悩みを話し、必要な支援と結びつけることができたら」と思いを語る。
○…生花店を営む実家に生まれ「魚屋の娘さんが出版社に勤める姿に憧れて」高校時代はタウン誌発行のアルバイトへ。編集者への夢が膨らみ大学を中退して都内の編集プロダクションに入社しさまざまな雑誌を作る中、現場で出会った夫と結婚。2014年に2人でスタジオクリップ(株)を立ち上げ、現在はデザイン業全般を娘が担当するほか久本でベトナム料理や台湾料理の飲食店を経営。「アートや音楽が好きな人が来店してくれたり、両方つながっている」と充実感をみせる。
○…イベント収益や募金で児童養護施設など困難な状況にある人に支援を続ける、その思いには自身の原体験がある。幼い頃から続いた母と姉への父の暴力。泣きながら裸足で公園に逃げた事もあり、時には近隣や警察に助けを求めた事も。「民事不介入で誰も助けてくれなかった」とポツリ。それでも「声を上げることは大事で、支援する側とされる側は対等であるべき。役割は順繰りでいい」と静かに語る。
○…店も8年経ち地元では「リビング」と呼ばれる存在に。「赤ちゃんだった子が小学生になって、入って来るなり『いつもの』って」。スタッフや来店客との深いつながりを胸に、支援活動はライフワークとして続けていく。「助けてくれる仲間がいるから」。晴れやかな笑顔をみせた。
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4月25日