NECグリーンスイミングクラブ溝の口に所属する松田天空(あんく)さん(21)が7月24日、横浜国際プールで行われた第25回日本知的障害者選手権水泳競技大会の200mバタフライで世界記録を突破した。
同大会は知的障害のある人を対象にした日本一決定戦で、今大会には281人が参加。松田さんは自己ベストを2秒以上更新し、2分8秒45で世界記録を突破した。これまでも日本記録は何度か達成してきたことがあったが、公認大会での世界新は初。「ついに、という気持ち。記録を持っている選手の仲間入りができたと思った」と喜びを話す。
松田さんは1歳頃から水泳を始め、3歳になる前に自閉症の診断を受けた。小学校4年の時に渡米し、知的障害のある人にスポーツトレーニングと競技会の場を提供する組織「スペシャルオリンピックス」の水泳に参加。中学校2年で帰国後、調布市の障害者チームに所属し本格的に競泳を始めた。2020年度には(一社)日本知的障害者水泳連盟国際大会強化指定選手に。海外遠征でのクラス分けが間に合わず出場を逃したものの、東京パラリンピックの派遣標準記録を突破した実力の持ち主だ。
持ち味は「泳ぎ」のうまさ
現在は週に5〜6日、同クラブに通い、時には午前・午後の二部練習もこなす松田さん。コーチを務める河合大輔さんは「水を扱う能力に長けており、泳ぎがとてもうまい」と評する。日頃から丁寧な声がけを意識し、持ち味の泳ぎのうまさを最大限引き出せるよう、共に練習に取り組んでいるという。次に目指すのは2年後、パリでのパラリンピック。松田さんは「メダル圏内に入りたい」と闘志を燃やす。海外選手との体格差から、効率の良い泳ぎでスタミナを保ち、後半に巻き返すのが日本人向きの戦い方だと話す河合さん。「(松田さんは)テクニックがあるので、十分に戦える。まだまだ伸びる」と期待を寄せる。
9月にはジャパンパラ競技大会への出場を控える松田さん。「100mバタフライや200m自由形でもベストを出したい」と抱負を語った。
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