坂戸在住の大学生、高橋淳音(あつと)さん(19)らが、川崎市内の柑橘類を使ってアロマオイルを蒸留する「かわさきカンキツオイルプロジェクト」を立ち上げた。地元産のアロマ製品として商品化を目指すほか、製造過程や二次加工で多くの人に関わってもらい、地産地消へ繋げていく方針などを打ち出している。
父親の昌也さんが昨年立ち上げた(株)ノンバーバルのアロマ事業「スーベニア アロマ」の企画責任者を務める淳音さん。高校生ながら(公社)日本アロマ環境協会のアロマテラピー検定1級に合格し、アロマブレンドデザイナーなどに認定。自らブレンドしたオイルやマスクスプレーを販売し、市のふるさと納税の返礼品にも認定されている。
「家の近所も含め、街なかにはたくさんの柑橘類がある。自社でオイル開発を手がけたいという思いも事業当初からあった」と淳音さん。昌也さんと共に市の都市農業振興センターやJAに相談し農家の情報を得ながら、6月には知人の協力を得て山梨県で蒸留装置を使って試作を実施。高津区産のミカンの皮を使った試作品の製造に成功した。柑橘類が旬となる冬の時期を前に、現在は原料や協力先の確保など、商品化への道筋を探る。
プロジェクトでは、間引きのために摘み取られる摘果ミカンを使用。30ミリのオイルを蒸留するために18キロものミカンが必要だったといい、摘果には同級生の、皮むきには家族の協力があった。取り組む中で「製造過程で体験的な要素も取り入れ、みんなで経験を共有できたらおもしろいのでは」との思いも生まれた。今後はミカンの皮むきの親子体験や、果実を菓子やジャムに使用する二次加工など、さまざまな展開を構想する。「アロマ商品として妥協せず品質を追及するのはもちろん、たくさんの人に関わってもらって地域の『みんなでつくる』楽しさも見出したい」と昌也さん。淳音さんは「多くの人に知ってもらえたら」と話している。
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