塗装、防水工事業を手がける上作延のタナカ塗装工業(田中宏幸代表)は、環境経営に取り組む企業として環境省の「エコアクション21」に認証・登録された。
中小事業者等の環境への取り組みを促進し効果的、効率的に実施しようと環境省が策定したガイドラインに基づき、各社の環境経営の取り組みを認証・登録する制度。同社は、川崎市内で認証・登録を受けた事業者のなかでは従業員4人と最小規模となる。
同社は、昨年夏から(一社)川崎塗装業協会の勉強会に参加。2020年度の二酸化炭素排出量や電力、ガソリン使用量、一般廃棄物排出量などさまざまな項目の実績を割り出し、削減量の年度目標を設定した。昨年10月から12月までの3カ月間を活動期間とし、環境経営に取り組んだ。
塗料の「余り」削減
車のガソリンの使用量削減をはじめ、現場でのごみの分別徹底やプラスチックの分別廃棄物量の把握、遮熱・断熱塗料を使った塗り替え工事の積極営業など、実際の取り組みはさまざま。なかでも力を入れたのは、塗料の適量使用による廃棄量の削減だ。同社によると、メーカーでは小分けで販売していないことが多く、少量の使用でも20リットルの缶で購入せざるを得ないケースが多々あるという。「余った塗料は再利用できず、捨てるにもお金がかかり、二酸化炭素の発生にもつながる。塗装業界では廃棄が課題であり一番削減しやすい部分でもある。なるべく余りが出ないよう、細かく計算した」と田中代表。現場を見て必要量の見当をつけ計算上より少なめに発注し、いかに余る量を減らすか、全従業員で取り組んだ。現場では廃プラスチックの再資源化のため分別も徹底、結果として電力使用量や一般廃棄物排出量の削減などを達成した。審査員による書類、現地審査を経て8月31日、認証・登録された。
社会的責任を果たす
今年創業52年となる同社。「お客様に喜ばれる、利益を求めるだけでなく、日本や世界の脱炭素に向けて、半世紀を超える企業として社会的責任がある」と話す田中代表。「短期間ではなく、今後も毎日毎日少しずつ続けていくことが大切。長期的にみて脱炭素やSDGsにつながるよう、従業員一丸で努力していきたい」と表情を引き締めた。
![]() 塗料の適量使用のための計測
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