川崎市内の中小企業が生み出した製品・技術を国内外にアピールすることを目的に、川崎市と川崎商工会議所は先月「川崎ものづくりブランド」の認定を行った。20回目を数える今年の認定において高津区からは「佐々木工機(株)」と「(株)MEYKOU」の2件が対象となり、今回の全5件を加えて、これまで認定された製品や企業は103件となった。
佐々木工機株式会社は、ワーク固定治具「Air fix」で認定を受けた。これは金属などの部品加工を行う際に、設計図通り正確に出来ているか三次元測定機器を用いての検査時に、対象物を固定するために開発された治具。真空吸着式を採用していることからマグネットが使えない定盤でも指で簡単に移動や脱着が可能となり、固定作業の時間短縮に繋がった。精密測定機器を扱う区内の(株)ミツトヨと共同で、8年前から開発が進められていた。
同社の佐々木政仁さんは「とても嬉しい。シリーズ化していく予定」と喜びの声を口にしていた。
株式会社MEYKOUは、キャンプなど野外で使用できる焚き火台「グリルpad」で認定を受けた。同社は精密板金業として銀行のお札を数えたり、偽札を判別する機器に関わる金属製品の加工等を行っている。
5年前に両親の会社から独立した事を契機に、父と何度も野営を楽しんできた経験を生かしキャンプ製品に挑戦。完成後、イベントに出展してみると「使いやすくて愛用してる」などといった購入者からの声も聞かれ、これまでとは異なるエンドユーザーの反応に接する機会が増えたという。
同社の宇野光二郎代表取締役は「人とのつながりも増え、とてもいい経験になった」と述べた。
区内若手の共同制作品も認定
さらに今回、地域産業の発展を目指し高津交友会の青年部で結成された「タカツクラフト」のメンバーでもある(株)大矢製作所(中原区)が手掛けたシェア型大豆選別選粒機「YOUJINBOU」も認定を受けた。
時間や手間がかかる大豆の選別を同製品を使うことで、30kgの選別が約1時間で可能となり農家の作業効率や負担を軽減させることに成功した。
同社の大矢賢司代表取締役は、日本食の要でありながら国内の自給率が低く、海外からの輸入に依存している大豆の現状を憂慮。これを打開すべく「タカツクラフト」のプロジェクトとして選別機器開発に着手。農家の意見を聞きながら完成に漕ぎつけた。また同製品を普及させる事で地域福祉や就労継続支援の事業所で新たな雇用を創出することに繋げたいという狙いもあり大矢さんは「認定後、市内の催事にでも好評の声を頂いた」と手応えを感じている。
主催担当者は「今年は、既存の商品をアイデアで作り変える商品が多く面白かった」と、今回の認定品を総括した。
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