川崎市男女共同参画センター「すくらむ21」で居場所事業を担う 佐藤 翠(みどり)さん 東京都在住 32歳
○…東日本大震災の被災地からの避難者や引きこもり、そしてLGBTQ当事者。様々な生きづらさを抱える人々が集える「居場所」づくりを、「すくらむ21」の職員として担う。特に13年続く「女性の避難者のためのほっとサロン」では、自身も故郷の福島県いわき市で被災した立場から、「当事者の気持ちに近い所で寄り添えていると思う」という。
○…震災当日は、大学受験を終えて自宅近くの書店にいた。幸いけがはなく、家族も無事だった。3週間ほどの避難生活の後、福島市内の大学へ。学生生活を通じて、助成金をもらった人ともらえなかった人、原発事故で避難した人としなかった人など、被災者にも様々な立場と考え方があることを体感した。
○…大学ではもう一つ、大きな気づきがあった。所属したダンスサークルで、同性愛を「ネタ」に笑いを取るなど学生たちの差別意識に直面し、サークルを退会。熱血漢とは真逆の性格だが、どんな立場であれマイノリティー当事者を笑い飛ばす態度に、強い違和感を覚える自分を発見した。「今なら『それはダメなことだ』と言える」と振り返る。
○…卒業後は被災者も含む生活困難者や社会的弱者の支援団体に参画し、相談業務に従事。「死にたい」と訴える相談者の声を受け止め、「子どもが性別に違和感があると言う」という親の悩みに寄り添った。その縁で2021年に「すくらむ21」へ転職。居場所事業に加え、直近ではLGBTQに関する特別授業を市立小学校で開催した。「自分が社会を変えられると思わないけれど、変わればいいな、とは思う」と話すスタンスで、この仕事を通じて、生きづらさを抱える人たちにそっと寄り添い続けるつもりだ。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>
12月20日