3月8日の「国際女性デー」にちなみ、女性活躍推進の課題について、川崎市の職員で『女性公務員のリアル なぜ彼女は「昇進」できないのか』の著者である佐藤直子さんに取材した。
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大学卒業後、民間企業で営業職として2年働きましたが、クライアントに合わせて働く営業職は長時間労働で「ここで長く働くのは難しい」と感じました。一方、事務職などの営業職をサポートする部署には10年以上働いている女性も。30年ほど前のことなので、現在よりも「働く上でのジェンダー差」は、はっきりとしていました。公務員になった大学の友人から話を聞き「公務員ならもっと平等に働ける」と思い、転職しました。
地方公務員として働き始めてから9年目、入庁年がほぼ変わらない男性職員との経験の差を肌で感じました。当時、人事などの諸制度の知識や関係者との折衝を必要とする忙しい部署に異動。今まで自分がやってきた仕事は事務処理ばかりだったので、戸惑いました。一方、職歴が同じくらいの男性職員は人事課や法制課などの経験があり、即戦力として異動してきました。その時に「長時間へこたれずに働ける」「メンタルがつぶれない」など、経歴以外の理由で自分が選ばれているのではないか、人材として中身をそれほど見られていないのではないかと疑念を持ちました。これらの経験を通して感じた「モヤモヤ」を形にしたいと思い、40代半ばで大学院に入学し、研究を始めたのです。
研究では全国の地方公務員とのネットワークを構築し、リアルな声を研究を支える土台にしています。女性管理職が少ない原因としてよくあげられるのは、女性自身に昇進意欲が低いということ。これは「自分の能力や経験に自信がない」のが原因という研究があります。性別によって職域を分ける規範や風土が残っており、組織の規範を守るためにも性別によって配置を決めるという構造が女性の昇進意欲を低下させるとも考えられます。また「仕事に対する覚悟がない」という意見も聞かれますが、これは女性が家事など、家庭での無償労働を主に担うことになっている社会の規範から説明できると考えています。
短期間で大きく変化するのは難しいですが、まずは組織の規範を当たり前だと思わずに疑問を持つ。感じたモヤモヤをそのままにせず正しい知識をつける。その上で自分がどのように働きたいかを考える。一人ひとりが意識をすることで、少しずつ状況が変わっていくと思います。
![]() 川崎市における女性管理職登用の推移(市HPより)
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