2019年の令和元年東日本台風で被災した「川崎市市民ミュージアム」の移転に関する「新たなミュージアムに関する基本計画案」がこのほどまとまり、開設地を生田緑地(多摩区)内に確定し、開設時期を最短で2031年としている。12月27日まで市民からの意見を募集している。
基本計画案によれば、市がこれまで「候補地」としてきたミュージアムの移転先を、生田緑地を「開設地」として確定。その上で、ばら苑の駐車場への移転を想定した当初案から、老朽化が進むばら苑一帯をミュージアムと合わせて再整備する計画へと変更した。
また開設時期は、管理運営に民間事業者のノウハウを活用する前提で算出した結果、事業者公募や事業設計を経て工事が始まる時期を最短でも29年度とし、施設が開館するのは最短で31年と想定している。
被災収蔵品の扱いは
一方で19年の台風で被災した収蔵品約24万5千点のうち、修復が完了した作品は昨年12月末時点で約7万5千点。現在も修復作業が続いているが、これらの新たな施設での扱いについて、市の担当者は「展示が厳しいものは調査研究に生かしていく。まず修復を急ぎ、全ての収蔵品を安全に保管することが先決」とした。
旧ミュージアムが残した課題の一つに「認知度不足」がある。被災翌年の20年に市が実施した市民アンケート(回答数1861人)では、「行ったことがある」の37・8%に対し、「知っているが行ったことがない」が32・7%、「知らない」は28・9%。6割以上が「行ったことがない」結果となった。
生田緑地には、岡本太郎美術館や「かわさき宙と緑の科学館」などの人気施設がある。そのため基本計画案策定に向けた議論でも、ミュージアム開設に伴う「緑地全体の魅力向上」や「施設間の回遊性の向上」などの意見が集まった。
市の担当者は「まず新たなミュージアムができることを知ってほしい。そして意見や要望を寄せてほしい」と訴える。基本計画案は各区役所や支所、出張所、各市民館、各図書館などで閲覧できる。意見(文書)の提出は【1】電子メール【2】ファクス【3】郵送【4】市の市民文化振興室「新たなミュージアム準備担当」に持参のいずれか。詳細は市HPへ。詳細問合わせは市民文化振興室(【電話】044・200・0918)。12月14日には川崎市総合自治会館(中原区)で説明会も開かれる。
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