今年、創立100周年を迎えた学校法人洗足学園(久本/前田壽一理事長)。法人本部の前田英三郎本部長はじめ関係者の取材から、10月に日本武道館で記念式典などを開催した同学園の節目の一年を本紙で振り返る。
洗足学園は、幼稚園から小、中・高、短期大学、音楽大学、大学院まで有する学校法人。関東大震災の被害から奇跡的に助かった女性、前田若尾が就業機会を失った女子のため、洗足高等女学校の前身となる平塚裁縫女学校を東京府で1924年に設立したのが始まりだ。
武道館で一丸に
前田若尾から受け継がれる「自立・挑戦・奉仕」という建学の理念のなかでも、今年は特に「挑戦」にスポットが当たる一年だった。前田本部長が「今回、大きな挑戦だった」と語るのが、10月に行われた日本武道館公演。2日間にわたり創立100周年を祝う記念音楽祭と記念式典を学生、児童や教職員、学園関係者らを対象に実施。初日夜には同大の現役音大生によるアイドルグループ、MARUKADOのライブも開催した。
オーケストラや合唱団、バレエ、ダンス、DJによる演出など、音楽祭はもちろん、式典に至ってもさまざまなステージが繰り広げられた同学園ならではの公演。幼稚園児から卒業生までステージに立つことをコンセプトに各日約400人が出演、19ある全コースから学生・教員が武道館公演に携わった。出演者のほか、裏方や運営も学生や教職員らが手がけており、こうした形の音楽祭は武道館公演のなかでも稀なことだったという。「今後も数年に1度など、武道館での公演に挑戦していけたら」と前田本部長は抱負を語る。
音楽を地域に提供
学園内にある前田ホールでは年間を通し、地域住民ら一般も鑑賞可能なさまざまなジャンルの演奏会を行っている。今年度の公演数は、周年関係を含め合計280回以上。コンサートを担当する吉岡高史さんは「演奏会の多くが無料で入場でき、質の高いコンサートが見れるので、地域の方にもぜひ来ていただければ」と話す。
今年4月には、映像制作や音響等を学ぶメディアアーツコースを新設。また、今年は川崎市市制100周年の年でもあったことから、川崎市との地域連携にも注力した。7月には市との話し合いなどを経て、同大出身の歌手・平原綾香さんのデビュー曲「Jupiter」がJR武蔵溝ノ口駅の発車メロディに。また、翌月には地域に向けて住民らが楽しめる企画として川崎市と学園の100周年を共に祝うイベントも学園敷地内で開催した。
前田本部長は「こうした取り組みを今回だけで終わらせることなく、音楽を通じた地域との関わりで『音楽のまち・かわさき』を盛り上げていきたい」と話している。
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