すくらむ21 「防災計画に女性の声を」 和光大の竹信教授が講演
川崎市男女共同参画センター(すくらむ21)は、女性のための防災冊子を作成するのを機に16日、災害時の女性支援に関する講演会を開いた。講師として招かれた「東日本大震災女性支援ネットワーク」(東京都)の共同代表の竹信三恵子・和光大学教授は「女性の声が反映できる環境づくり」を呼び掛けた。
防災計画の決定の場には「男性ばかりで女性がほとんどいない」。16日、「女性の視点でつくる防災」をテーマに川崎市男女共同参画センターが主催した講演会で、講師を務めた竹信さんの言葉が響いた。
震災発生後、福島県飯館村など各地を訪れた竹信さんは、間仕切りがない避難所で、着替えや授乳などに困難を抱える女性たちの姿を目の当たりにした。女性たちは毛布をかぶって着替えており、訳を聞くと、男性たちから「被災者は皆家族なんだから、間仕切りなんて水臭い」と言われたのだという。さらに家事は女性の役割と、炊事を任され続けた末に疲弊した女性たちにも会い「信じられない実態だった」と話す。
プライバシーが確保できないだけでなく、性暴力の恐怖にもさらされるなど、竹信さんは避難所での女性特有のさまざまな問題を指摘。「女性リーダーを養成し、女性の声を反映できる環境をつくることが必要。女性支援には男性の理解もとても大切」と、講演会に参加した男女約30人に呼び掛けた。
川崎区から来場した60代の女性は「テレビのニュースでしか被災地のことを知らなかった。講演を聞いて、女性が声を発することが大事なのだと感じた」と語っていた。
女性向け防災冊子を作成
同センターは今年度、初めて「女性の視点でつくる防災冊子」の作成に取り組み、3月末までの完成を目指すなど、女性のための防災意識の啓発に力を入れている。
同センターの三橋君枝館長は「講演会で学んだことを、地域の防災計画に取り入れてほしい」と話した。
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11月22日
11月15日