バレーボールから派生した球技のひとつ「ビーチバレー」。その競技に魅了され、現在、オリンピックを目指す選手がいる。区内在住の斎藤愛莉さん(23)がその人。
「砂浜の上は思っている以上に走れないし、風の影響も受けボールの動きも変わってくる。けれど、それが面白い」と明るい笑顔でビーチバレーの魅力を話す。
ビーチバレーに転向して6年。現在、JVAビーチバレーボール・オフィシャルポイントランキング35位(2019年4月17日時点)の位置につけている。定める目標は「まずは20位以内」。また、国内最高峰の大会「ジャパンビーチバレーボールツアー」での表彰台を目下の目標に掲げ、昨年は、高萩サテライトで準優勝を果たすなど実績を積んでいる。
「1秒でも練習したい」
斎藤さんがビーチバレーと出会ったのは、高校卒業後。それまでは東橘中学校、私立日体荏原高校(現日本体育大学荏原高校)でバレー部に所属し競技に打ち込んでいた。
身長166センチと選手としては小柄だが、肩の強さを武器に、エースアタッカーとして活躍。高校2年生の時は、関東出場を果たしている。
「『1秒でも練習していたい』と思うほど、バレーをやり続けたかった」と斎藤さん。卒業後は、日本代表を目標に掲げ、実業団入りを希望しトライアルを受けていた。
だが、実業団は思うように決まらなかった。「難しいのかもしれない」とあきめかけていたときに、川崎でビーチバレーチームを立ち上げると聞いた。
試しに練習に参加すると砂の質感、自然の中でプレイするビーチバレーの魅力にみるみるのめり込んだ。
さらに「オリンピック選手の育成」というチームの設立趣旨にも目が留まった。「可能性があるならかけてみたい」と、競技転向を決心した。
目標真直ぐ見据える
現在は「ファイテンショップ川崎ルフロン店」でアルバイトをしながら、試合、練習、トレーニングに励む。「『戦績が上がると接客態度も変わる』と言われる」と笑う。練習、試合に合わせてシフトの融通をきかせてくれる職場仲間、応援に駆けつけてくれる店のお客さんに「支えてもらい、感謝している」と話す。
現在、固定のペアはいない。試合に出場する度に相手を探す。コーチはいるが、試合に同行することは少ない。基本的に1人で自身の課題に向き合うことになる。「競技を辞めたいと思ったことはない。お手本にしている選手もいるけど、同じ競技をしているので、超えたい気持ちの方が強い」と、柔和な表情に内に秘める闘志がにじむ。
見据えるのは5年後の「パリ五輪」。「今年から世界ツアーの参加も考えていきたい」。新たな時代の幕開けに、力強く語った。
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