今から半世紀以上前に、高津区などを中心にモノレール構想があったのをご存知だろうか。
中原区にある「川崎市公文書館」では、企画展「『交通空白地』をなくせ〜幻の川崎モノレール〜」を開催している(来年3月31日まで)。もし実現していれば、暮らし向きに大きな変化が生じたともいわれるこの計画。その詳細はー?
計画の経緯など資料展示
同企画展は横浜市営地下鉄の新百合ヶ丘駅までの延伸が決まったことを機に開催されているもの。市議会の資料や、車両デザイン図などの展示を通して幻に終わった「川崎モノレール」の軌跡を知る事ができる。
戦後、ベッドタウンとして人口増加が進んだ川崎市では西北部と、工場地帯だった臨海部の交通手段強化が急務とされ、1963年に当時の金刺不二太郎市長が交通手段充実化を言及。次の伊藤三郎市長のもと、1972年頃からモノレール計画が具体化された。調査や市民アンケート等も進んだが昭和後期、土地不足と運営事業者の問題で頓挫するまでの経緯を資料で辿っている。
車両名は「タウンライナー」
目玉資料の一つが、車両のデザイン画(=写真上)で、TownLiner(タウンライナー)と命名されていることが分かる。その他、配色が施されたデザイン画3点や、高津区や多摩区を中心とした駅名一覧、溝ノ口駅のイメージ図など、計画が着々と進んでいたことが窺える資料を見学することができる。
また子ども向けの説明パネルも設置され、幅広い世代が楽しめる工夫も。担当者は「自分の住んでいる地域にモノレールや駅ができていたらどうだっただろうと想像しながら展示を楽しんでほしい」と話している。
入場無料。開館時間は午前8時30分から午後5時まで。月曜・祝日は休館(月曜が祝日の場合、火曜休館)。問い合わせは、同館【電話】044・733・3933へ。
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